つみきのいえ~思い出と共に

公開年度:

2008年

監督:

加藤久仁生

解説/あらすじ:

海が広がる世界でひとり暮らす老人のお話。
年々水かさが増し、老人が住む家は、
まるで積み木のように増築を繰り返していた。

2008年のアカデミー賞受賞作品。

レビュー:

優しい音楽に絵本のようなタッチがとても良い、個人的に好きな作品。
おじいさんは赤いシャツにパイプをくわえ、釣った魚と赤ワインで夕食をする。

ある朝、目覚めると部屋中が水浸しになっていた。
おじいさんはおばあさんの写真に、ちらりと目をやり、レンガを取り寄せて家を作り始める。
雨の日も風の日もレンガを積み重ねる。
レンガを積み重ねることが、この世界では時を積み重ねることに比例している。
この世界観はとても個性的だ。

家が完成し、沈んでしまった部屋を片付けていた時にくわえていたパイプを落としてしまう。
お気に入りだったのだろう。
がっかりした様子が伝わる。

商人が船でやって来て、新しいパイプを眺めている時に潜水服に目が行き、購入する。
早速、着替えて水中にダイブ。

落としたパイプはすぐに見つかった。
パイプを拾い上げる際、
昔、おばあさんがパイプを拾い上げてくれた時の様子を思い出す。
この辺の作りこみもイマジネーションが良く働いている。

それから、おじいさんは下へ下へと沈んでしまった家をおりていく。
ベットに目をやり、おばあさんを看病していた時の事を思い出す。

さらに下へ、若い夫婦が孫を連れてきて家族写真を撮った時の事。
娘が結婚相手を初めて連れてきた時の事。思い出が蘇る。

さらに、自分も若く、娘が小さい頃の様子、生まれた時の様子など
下へ下へと潜ってゆく過程で、思い出を巡る旅でもしているかのよう。

一番下の家に到達し、その外観を眺めながら、人生を振り返る。
かつておばあさんと出逢い、共に育ち過ごした日々。
プロポーズして結婚、一緒にこの家を作り始めた時の事。
ころがったワイングラスを拾い上げ、昔を懐かしんだ。

その夜、ふたつのグラスにワインを注ぎ、カシャンと、そっと重ねた。
大切な人との思い出を胸に刻んで。

短編アニメながらも、語り掛けるような優しい感じに包まれる。
あたたかい気持ちにさせてくれる良作である。

[youtube=https://youtu.be/j0YSFvPTm2A]

 

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Posted with Amakuri at 2017.6.15
長澤まさみ
東宝