命をかけた人命救助 ~ホワイト・ヘルメット:シリア民間防衛隊~

タイトル:

ホワイト・ヘルメット:シリア民間防衛隊

公開年度:

2016年

監督:

オーランド・ヴァン・アインシーデル

解説/あらすじ:

現状のシリア内戦の様子を映像にしている作品である。
40分とドキュメンタリーにしてはとても短い。
ホワイト・ヘルメットとは2013年に発足したシリア民間防衛隊と呼ばれるもので
シリア内に120のセンターを持ち、一般市民2900人が活動している。
爆撃があった場所に急行して、瓦礫の中から人々を救済する活動をしている。
スピードと正確さが重要であると語っていたが、命と隣り合わせの危険な仕事であった。
ロシア軍の介入により情勢はさらに悪化し、標的はISISであると公開しているが、
犠牲になるのは一般市民が殆どであった。

ホワイトヘルメット

 

レビュー:

爆撃や爆発の映像は凄まじく、救援活動の様子も緊張感に包まれている。
血だらけの市民が多数瓦礫の下から救助されている。
主にシリア・アレッポで活動している人々が紹介されていた。
ハリド・フィラは幼い娘を持つ父親で家族が何よりも大事と話す。
また「どんな人であっても家族だと思って助ける」と語った。
アブ・オマールも敵であろうが、味方であろうが、関係ないと話す。
ムハマド・フィラは以前は武装グループに所属していた。
被害に遭うのはいつも市民だという事に気付き、武器を捨て人道支援を始めた。
命を奪うよりも、救う方が良いと話す。
これは理屈じゃないんだと、彼らは強い信念のもと、命懸けの救援活動を行っている。

アリサリ地区に2発の樽爆弾が落ちた。
最初の爆発で大勢の負傷者を出し、さらに2発目が投下され多くの人が亡くなった。
彼らは直ぐに駆け付けたが、建物は全て崩壊しており、救出活動は困難を極めたという。

瓦礫の下の捜索活動において、赤ん坊がひとり見つからずにいた。
誰しもが埋まってしまって、亡くなっていると思っていた。
現場を立ち去る前に、もう一度だけ物音を確認する。
赤ん坊の泣き声が聞こえた。
捜索は再開され、16時間後に生後1か月にも満たない小さな命は救われたのだ。
周りからは喝采があがった。誰もが涙ながらに喜んだという。
幸せの瞬間だったと後に隊員の誰かは語っていた。命は尊いのだと。

5年間の内戦で40万人以上のシリア人が亡くなり、数百万人以上が家を失った。
そんな中で彼らの活動は希望の光なのだろう。
2016年のノーベル平和賞の候補にホワイト・ヘルメットの活動が上がっている。
しかし、一方で拠点のセンターがロシア軍の戦闘機に狙われ標的にされているのも事実であった。

現在、隊員130名以上が亡くなり、その間に彼らは6万人近い人々の命を救っている。
シリア事情に詳しくないが、胸を締め付けられる想いである。

[youtube=https://youtu.be/E6gN90DGjG4]

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
Posted with Amakuri at 2017.6.15
梅原 大吾
小学館