若き日のバラク・オバマ ~バリー~

タイトル:

バリー

公開年度:

2016年

監督:

ヴィクラム・ガンディー

解説/あらすじ:

この作品は実話に基づき製作されている。
アメリカの大統領「バラク・オバマ」の学生時代の話である。
作品ではバリー(オバマ)は自分が何者であるかという、
アイデンティティと向き合おうとしている。
若き日のオバマは何を考えていたのだろうか?

 

レビュー:

主人公のバリーはジャカルタ、ホノルルで育ち、
カルフォルニアを経て、ニューヨークに降り立つ。
ニューヨークの大学に編入したのだ。
友人を訪ねたがルームメイトのウィルは留守中であった、初日に野宿をしている。

彼の両親、母はカンザス出身、父はケニア出身で
父親との思い出は何もないという。
父親に手紙を書こうと努めていたが、手が進まない様子だった。
今度、会いに行こうと話していたのだが、その願いは叶わなかった。
父親は交通事故に遭い、他界している。

政治学の授業で顔見知りとなったシャーロットという白人の女性と付き合い始める。
しかし、バリーはいつも考え事をしており、うわの空だった。

自分が黒人であることについて、強く意識していた、
社会的な人種差別に晒されているという事を肌で感じていた。
ニューヨークへ来てから、友人達の中にいてもどこか馴染めない。
自分の居場所がないような、居心地の悪さを感じていた。
自分が何者なのかが良く分からない。そんな想いの中で揺れていた。
「人が煩わしいんだ、ひとり読書をしながら、過ごしたい」と母親に語っている。
「世界は広いのよ、道はあるわ」と母親はたしなめる。

ビジネススクールに通う、黒人の友人が5ブロックも離れていない通りの出身だと話す。
低所得者が多く集まり、こことはまるで違うという。
バスケ仲間から、団地でパーティーがあると誘われ、行くことにする。
低所得者の団地はボロでエレベータは止まっていた。
「3号室は射撃練習場だ」「打つのは弾じゃないがな」
覗いてみると、クスリを打っていた。
黒人のパーティに呼ばれたバリーだったが、場違いな空気を感じていた。

ある日、シャーロットの両親との会食に赴く、洗面所での出来事が印象的だ。
白人男性(シャーロットの父親)が「紙を取ってくれ」という。まだ面識はない。
バリーは別に普通の事ですという感じで、白人男性に紙をわたす。
白人男性は紙を受け取り、顔を拭いた後に、チップを置いて立ち去る。
バリーは思っただろう、
自分の行為は親切心からのもので、サービス精神による従行為ではないと
また、自分が白人であったなら、言葉を交わすだけであっただろうと。

またある日、シャーロットの姉の結婚式に招かれる。
バリーは早朝、一度も会った事も無い叔母からの突然の電話で父親の死を知らされる。
バリーは心此処にあらずといった感じであった。
シャーロットの母親(キャッシー)に異人種カップルの席へ紹介される。
遠まわしに娘との交際は認めていないという事だったのだろうか。
シャーロットと踊っている時に、
字幕や音声には出ていないが、二人の間で会話があったように見えた。
バリーは別れを告げたのか、その後には結婚式の会場を後にしている。

全体を通して、バリーは常に何かを考えている。
その心境を探る事は映像からはとても難しいが、言動や表情から想像する事は出来るかもしれない。

 

Barry

BARACK OBAMA バラク・オバマ [DVD]
Posted with Amakuri at 2017.6.15
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